幼少の頃、先々代からその昔に「びすかうと」という商品を販売していたと伝え聞いたことがあります。
いまで言うところの「ビスケット」です。
和菓子屋でビスケット ……???
当家にはそれに関する文献は何も残っておりませんので、もはやその正体を知る術はありませんが、いつか復活させようと長年目論んでおりました。
ビスケットは、カステラ、コンペイトウ、カルメラ、ボーロなどと共に、ポルトガルやスペインから伝わった南蛮菓子の仲間でした。
菓子というよりは、そもそもが長い航海を乗り切るための保存食ですから、カンパンのようなものだったと思われます。
その当時の呼び名が「ビスカウト(あるいはビスコウト) 」でした。
日本におけるビスケットの記述は幕末(1855年)に初めて登場します。
水戸藩士であり長崎で開業医をしていた柴田方庵が、その保存性の高さに注目していた水戸藩から依頼を受けて、ビスケットの作り方をオランダ人から教わり、藩に製法を報告したということが日記に記されているそうです。
ポルトガル、スペイン、オランダ、長崎、黒船、貿易、商館……そうした異国浪漫あふれる物語に想いを馳せた当家の先人に倣い、「びすかうと」に取り組む決断をしたわけですが、和菓子屋がつくるビスケットですので、洋菓子のそれと一線を画すものであることが大切です。
そこで商品コンセプトを「お茶席で楽しめる和のビスケット」として、試作を幾度も重ねて今回の完成に至りました。
細かな工夫を随所に込めましたが、ここでご説明するのは野暮というもの。
ぜひ一度ご賞味いただき、願わくば皆様のご意見などを賜って、今後の改良改善のチカラにさせていただければ幸いでございます。
第17代当主 前川 清昭
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